ホワイトペーパー  

メインフレームデータ連携でデジタルイノベーションとクラウド分析を推進



 過去10年間、企業のIT部門はかつてないプレッシャーにさらされていました。特にメインフレームとデジタル世界が交差する場所ほど、それを痛感させられたところはありません。新型コロナの経済支援サービスの提供時にメインフレームアプリケーションに対するWebトランザクションが大量に集中したことや、企業や公的機関でのクラウド導入が急増し続けていることを考えてみてください。 

メインフレームとデジタルが交差する場所はなぜ重要なのでしょうか。世界の企業データの80%はメインフレームに存在するか、メインフレームをオリジナルとしていると推定されています。そして、このデータの一つひとつが価値の高いものです。金融業界だけでも、メインフレームは毎年8兆ドルの決済を処理しています。

しかし現在、情報はメインフレーム以外の場所で急増しています。特に、クラウド/SaaSアプリや、メール、ブログ、インスタントメッセージのような非トランザクションデータの急増を考えるとその傾向は顕著です。IDCは、2025年までに世界のデータ量は175ゼタバイトに増加し、データセンターと同等に大量のデータがクラウドに存在するようになると予測しています。

顧客により良いサービスを提供し、イノベーションを推進し、効率性を向上させるには、既存のリアルタイムトランザクションデータと新たに作成されたデジタルデータを関連付ける必要があります。もし貴社のチームが、レガシーデータのサイロに存在する豊富な情報を無視するなら、クラウドや新しいテクノロジーに迅速に適応しない人々と同じように、不利な環境に置かれることになります。

企業や政府機関は重要なデータを、さまざまなプラットフォームと場所にまたがる、多くの異なるシステムに保存しています。IBM zSystems®などのメインフレーム、OpenVMS®、iSeries (AS/400) 、UNIX®のようなレガシープラットフォーム上のデータは、ビジネスインテリジェンスだけでなく、クラウドやDXの取り組みにも活用できます。しかし、こうしたデータからアジリティやインサイトを得るには、企業データの場所を問わず、データアクセス、仮想化、移動を可能にし、クラウド上の最新のアプリケーションやデータプラットフォームに連携可能な、容易で高速かつコスト効率の高い方法が必要です。

既存のシステムやアプリケーションを置き換えたり統合したりするのではなく、そこに含まれる情報を利活用して、デジタルイノベーションを推進できるデータを届けましょう。メインフレームデータ連携により、新しいプラットフォームやデータベースへの移行に伴うコストとリスクを回避しながら、クラウドベースのデータウェアハウスなどの最新テクノロジーを利用することが可能です。

次のようなソリューションを必要とするなら:

  • パフォーマンスを低下させずに、メインフレームや非リレーショナルデータにアクセスする
  • ビジネスの安定性と継続性を維持しながら、クラウド導入を加速させる
  • 新製品、サービス、アプリケーションの市場投入までの時間を短縮する
  • クラウドベースのデータドリブンなアプリケーションやプラットフォームで、どこでもエンゲージメントを強化する
  • ベストなデータをすべて分析して、最適な意思決定を行う


有用なメインフレームデータへの需要

既存のメインフレームシステムの過去およびリアルタイムのトランザクションデータを、デジタルチャネルの新しい情報と組み合わせることで、非常に大きな価値を得ることができます。その全体像を把握すれば、情報に基づいた意思決定を行い、顧客により良いサービスを提供し、データドリブンなアプリケーションや分析プラットフォームに活用できるようになります。

メインフレームは、企業運営の中心にあります。重要なビジネストランザクションに使用され、特に銀行、保険、政府、運輸、通信、製造においてビジネスの中核を担う戦略的な存在です。メインフレームのトランザクションによって生成される、顧客・製品・ビジネスに関する数十年にわたるインサイトを含む大規模なデータセットを活用することで、他社との差別化を図ることができます。

メインフレームの勢い
北米における企業インフラ技術の意思決定者のうち、実に67%がメインフレームを使用しています。Forrester社の金融サービス部門に関する調査によると、メインフレームの使用は増加し続けており、企業はアプリケーションをモダナイズしてプラットフォーム上のワークロードを増やしています。Forrester社の調査対象者の87%は、メインフレームが長期的に有効な戦略的プラットフォームであると考えています。


クラウドコンピューティングへの関心が高まるにつれ、メインフレームの価値や利用率が低下しているというのは誤解です。むしろ、IBM zSystems®(メインフレーム)ワークロードの成長の勢いは強く、コアアプリケーションが依然として重要であることが判明しています。メインフレームが今日も力を持ち続けているのは、その信頼性と実績のあるシステムが高速かつ信頼できるパフォーマンスを提供しており、一般にCOBOLで構築されたアプリケーションの独自のビジネスロジックに数十年にわたる投資が行われているからです。ビジネス継続性と信頼できるセキュリティの価値は計り知れません。

しかし、メインフレームはサイロの中で単独で存続することはできません。特に、DX、クラウドイノベーション、データ分析のためのトランザクションデータの活用に対する需要は高く、組織は、オンプレミスのアプリケーションとクラウドプラットフォーム間のシームレスな運用を可能にするハイブリッドアーキテクチャを検討する必要があります。
では、メインフレームのデータ連携が必要なのは誰で、どのような目的なのでしょうか。


データドリブンなアプリケーションでどこでも従事を強化

今やSaaS、クラウドアプリ、ポータル、モバイル、スマートデバイスはどこにでもあります。そして顧客、市民、パートナーは、どのチャネルを選択しても一貫したサービスや情報が提供されることを期待しています。つまり焦点は、迅速なセルフサービス機能による、どの場所でもユーザーと関与することにあります。

スタートアップ企業は、レガシーアーキテクチャを気にすることなく、迅速に移行できます。しかし、メインフレームアプリケーションを持つ従来の企業には、確立されたプロセスと豊富な顧客履歴データという利点があります。この競争上の優位性を生かすには、企業データをエンゲージメントチャネルに連携しなければなりません。それができれば、スタートアップ企業に匹敵するアジリティを実現し、エンゲージメントの質しだいではスタートアップ企業を凌ぐことが可能です。

たとえば、ある大手バケーションエクスチェンジ会社を例に挙げてみましょう。同社は、Webとモバイルを活用した新興企業に顧客の獲得競争で負けていました。しかしメインフレームに蓄積された数十年に及ぶ顧客履歴データを利用して、顧客が望む方法と場所で、いつでもオンラインで顧客にアプローチできれば、競争に勝てることがわかっていました。
Webアプリのセットアップを迅速かつ簡単に行える利便性は新興企業と同等でしたが、ゲームチェンジャーとなったのは、SQL(Structured Query Language)アクセスを使用して、WebアプリをVSAM上の同社のコアメインフレーム予約アプリケーションデータベースにリンクさせたことでした。顧客は、Webブラウザやモバイルアプリから宿泊先の空き状況を検索し、複数の登録、予約、チェックインを数ミリ秒で完了できるようになりました。その結果、膨大な新規収益が得られ、新しいテクノロジーを拡張してサポートすることで競合である新興企業を凌ぐアジリティを実現できました。


360度の顧客ビュー

顧客の要望を予測して対応するには、顧客データを包括的に把握することほど優れた方法はありません。顧客の基本的な連絡先情報、購入履歴、営業担当者とのやり取りの詳細、カスタマーサポート、デジタルプロパティなど、360度の顧客データを把握できれば、意思決定者やマーケティングチーム、営業チームは、顧客の購買習慣や顧客に最適なサービスの提供方法について、データに基づいた意思決定を行えるようになります。

しかし、複数のタッチポイントやシステムから顧客情報を1つの場所、つまり単一のビューに統合することには課題があります。購買や物流のデータはメインフレームで処理されることが多く、営業上のやり取りはSalesforceなどのSaaSアプリで追跡され、Webコンテンツとのオンラインでのやり取りの多くはクラウドアプリケーションで追跡されます。過去には、情報を中央のデータウェアハウスに統合することで、360度の顧客ビューを実現しようとしてきました。しかし、メインフレームデータ連携に対するそのアプローチには、バッチデータのアップロード間の待ち時間が長いなどといった制限がありました。

データ統合の遅延のデメリットは、ある大手銀行の資産管理アドバイザーにとって致命的でした。彼らはかつて、高価値を持つ顧客の財務状況、個人データ、ポートフォリオに24時間365日、即座にアクセスすることができませんでした。従来のデータウェアハウスは、顧客からの相談時にアドバイザーに古い情報を表示していたため、アドバイザーの権威と信頼を失っていました。

そこでデータ仮想化が、より実行可能な代替手段となりました。Sybase、Oracle、IBM i (AS/400)、メインフレームなどの複数のシステムからリアルタイムでデータにアクセス可能な仮想データウェアハウスを構築したので、アドバイザーは顧客の最新の取引にアクセスできるようになりました。効果はすぐに現れ、顧客からの信頼は急上昇しました。アドバイザーは、いつ誰から相談があっても、その顧客について把握すべき全情報を、リアルタイムですぐに認識できるようになりました。個人、機関、非営利慈善団体のために管理していた資産とともに、同銀行の運命も好転しました。

モバイルワーカーのためのリアルタイム情報

顧客へのセルフサービス提供に関心があるのは、マーケティング部門やカスタマーサービス部門だけではありません。ほぼすべての業界が抱えるモバイルワーカーにも、企業データへのリアルタイムアクセスはメリットがあります。地域の警察官から、設備を修理してサービスを復旧する公益事業作業員まで、モバイルワーカーは必須情報が必要なときに得られることを求めています。

例として、警察官が、交通違反で停車させた人物に関して、警察や裁判所のリアルタイムの情報を参照し、違反常習者でないか、未払いの違反チケットがないか、さらには無関係の違反で裁判所への出頭命令が出ていないかを、警察車両から直接確認できれば、治安に役立つことは容易に想像できます。これはまさに、米国のある州情報局がWebアプリを構築して実現していることです。州内の警察官は、シングルサインオンシステムを備えたWebアプリによって、事件や逮捕状のみならず、養育費の支払い遅延さえも確認しています。これらの情報はすべて、刑事司法情報システムの一部としてオンプレミスで非リレーショナルメインフレームデータベースに格納されています。


データ分析とビジネスインテリジェンス

データアナリストやデータエンジニアは、豊富なメインフレームデータを最新のクラウド分析の取り組みに取り入れることで、革新をもたらす可能性を認識しています。たとえば、顧客の購買履歴データとオンラインショッピングの傾向を組み合わせることで、顧客とのやり取りを改善し、新しいサービスの基盤を実現することができます。マーケティングや営業活動を改善するためのパターンを特定することにより、収益を確実に増やせます。また、そのデータを利用して、業務計画やリソース管理を改善するためのインサイトを得たり、隠れたビジネスリスクを明らかにして不正に対処したりすることで、コストの節約もできます。

より優れたインサイトと意思決定をサポートするために、データアナリストは、クラウドデータプラットフォーム(Snowflake、Redshift、BigQuery、Databricks、S3、ADLS2、GCSなど)ですべての企業データを活用し、慣れ親しんだ分析ツール
(Tableau、Looker、PowerBI、SAS、Sagemaker、Dataiku)を使用したいと考えています。

目標は、データ利用者(社内外のステークホルダー、顧客)に、必要なときに必要なデータを提供することにより、データをビジネス価値に変えることです。メインフレームデータをAIや分析プラットフォームに取り入れられる企業は、より優れた意思決定を迅速に行い、競合他社の一歩先を進み続けることができます。


メインフレームデータ連携の課題

メインフレームとレガシーデータソースのほとんどは、一般的に非リレーショナルで独自仕様であり、共通の統合標準がないため、これらにアクセスしてデータ連携することは困難です。現在ではデータ量は増加し、変化のスピードが加速しているため、従来の方法、つまりポイントツーポイント統合と手作業によるプログラミングを使用してメインフレームデータを共有するやり方は、もはや通用しません。データを管理する側とデータを必要とする側との優先順位の違いは、利益相反を引き起こすおそれがあります。


メインフレームデータの特異性
VSAM、IDMS、IMS、RMSなど、多くのメインフレームやレガシーデータストアは独自仕様であり、ネイティブSQLアクセスを提供していません。そのため、これらのデータにアクセスし、最新のプラットフォームやアプリケーションに連携させて利用することは組織にとって困難な課題です。最新のツールとエコシステムは、SQLに大きく依存しています。SQLは、リレーショナルデータベースからデータを取得して整理するために最も一般的に使用されている言語で、分析プラットフォームやExcel®などのデスクトップクエリツールに使用される標準です。データアクセスAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)もSQLに基づいています。アプリケーションは、JDBC、ODBC、OLE DB、Microsoft.NETなどを介してSQLを使用してデータにアクセスします。APIは、Webやモバイルでイノベーションを起こす、最も強力で俊敏かつ軽量な方法の1つであるため、APIを優先する必要があります。

ほとんどのメインフレームデータストアもまた非リレーショナルです。つまり、データは列と行の一般的な表形式でレイアウトされていません。皮肉なことに、非リレーショナル形式で情報を保存する柔軟性と利点が、MongoDBなどの新しいデータベースで再び受け入れられるようになっています。しかし、現在のところ、最新のアプリやツールで使用するには、SQLで非リレーショナルデータベースを容易に理解できる表形式に変換する必要があります。

また、メインフレームデータは、高レベルのセキュリティで保護されているという点でも特異です。これは前述のように、メインフレームアプリケーションで管理されているトランザクションは価値が高く、ビジネスの中核であるためです。

拡張性がない従来のアプローチ
メインフレームデータ連携に対する需要を満たすために、ITスタッフはこれまで、FTPを使用して手動でファイルをデータウェアハウスに転送したり、手動でスクリプトを作成して必要なデータをアプリケーションに提供したり、頻繁な更新が必要なポイントツーポイントの統合を利用したりしていました。限られた時間とリソース、さらにはメインフレームのエキスパートの退職により、組織は多様な統合のユースケースに対応するために複数のベンダーに頼ることもあります。しかし、これではすでに疲弊しているプロセスに複雑さとコストが追加されるだけです。このようなアプローチには、ますます多様化するデータソースを統合する需要を満たせる拡張性がありません。


ビジネス部門とテクノロジー部門の優先事項の違い
データを保持する側とデータを必要とする側の間には、優先事項に大きな違いがあります。データの使用が必要なビジネス部門は、ビジネス効果とアジリティに重点を置いています。一般的に、オープンシステムを使用し、SQLに依存して、インサイトやイノベーション、成長のための予算を確保しています。またビジネス部門は、早くイノベーションを起こして競合他社に打ち勝つために、迅速に行動し必要な場所でのデータ取得が急務と感じています。

一方、メインフレームシステムを管理する部門は、ビジネスの継続性とセキュリティに重点を置いています。テクノロジー部門はメインフレームシステムとフォーマットを熟知していますが、概ね人員が不足しており、予算が横ばいか減少傾向にあります。

これらの相違を克服して連携できるソリューションがあれば、ITチャネル以外でアプリケーションが導入される「シャドーIT」の発生を防止でき、メインフレーム向けITスタッフの負担も軽減されます。


発想の転換でデータ連携の成功につなげましょう
残念ながら、新たな要件が発生するごとにポイントツーポイントのカスタム統合を構築するという古い戦略は、失敗に終わることが多いのです。このやり方は大量のリソースと時間を消費します。データウェアハウス内の異種の情報を統合することは、一部の分析には有効かもしれませんが、常にリアルタイムデータを分析するというニーズを満たすことはできません。

IT部門が、企業データを利用するビジネス部門の要求に何も対処しないか、早々に提供しなければ、データ利用者は自らその解決法を模索するようになります。これでは、統合の課題がさらに悪化するだけであり、すでに過負荷の部門にさらに多くの負担がかかります。

最悪のシナリオでは、影響力のある立場の人物が、長年使用してきた企業システムの総入れ替えを主張し始める可能性もあります。これにより、組織はたちまち、信じられないほどコストのかかる落とし穴へと引きずり込まれることになります。

考え方を変えることで、DXやクラウド分析の取り組みに、より価値のあるメインフレームデータをより迅速に取り入れることができるのです。


データサイロの存在の受け入れ
データサイロは、絶え間ないイノベーションの結果として避けられないものです。ビジネスの動きは非常に速く、1つの標準に準拠することは困難です。また、IT部門が懸命に努力しても、その目をすり抜けて予算に余裕のあるビジネス部門が購入している技術製品が常に存在します。すべてのデータが1つの標準に準拠する必要はないことを受け入れれば、既存のソリューションを総入れ替えする必要はなくなり、代わりに、変化に対応できる柔軟性を備えたデータ連携ソリューションに焦点を当てることができます。


ハイブリッドデータアーキテクチャの採用
既存のオンプレミスプラットフォーム、特にIBM zSystemメインフレームは、ビジネス継続のための信頼性とパフォーマンスを提供します。一方でクラウドサービスは、革新的なアプリケーションとオンデマンドの柔軟なインフラストラクチャに対する説得力ある価値提案を提供します。ほとんどの組織にとって、DXの実現には、オンプレミスシステムとクラウドのハイブリッド環境が必須です。今こそ、その両方が必要であることを受け入れるべきなのです。

シンプルさの追求
クラウド環境とオンプレミス環境の間でデータ連携ができ、実装と更新が簡単で、信頼性が高くコスト効率の高い単一のソリューションを見つけましょう。最適なソリューションは、多様なニーズに対応するオプションを提供し、オンプレミスインフラストラクチャとクラウド間の容易なデータアクセス、仮想化、移動が可能です。これにより、データがどこに存在し、どのアプリケーションやツールで必要とされても、データを最大限に活用できます。過剰に設計されたソリューションは必要ありません。必要なのは迅速に導入できる使いやすいソリューションです。メインフレームデータベースの深い知識が不要で、ポイント&クリックやドラッグ&ドロップの簡単な操作で実行できるソリューションなのです。

メインフレームデータの価値を最大化する3つの鍵
新たな専門知識を必要とせず、オンプレミスでもクラウドでも、組織の内外を問わず、企業データを新しいアプリケーションやツールに迅速に連携できる非侵襲的な統合オプションがあるとしたらどうでしょうか。

運用停止が不要で、ビジネスの継続性を維持しながら、新しいテクノロジーを迅速に導入し、ビジネスをモダナイズできるとしたらどうでしょうか。

データサイロは絶え間ないイノベーションの避けられない結果であることを受け入れ、異なるソース、形式、セマンティクスを共通言語に統合するツールがあれば、障壁を取り除き、データを効果的に活用して、より良い意思決定を行い、顧客にサービスを提供することができるのです。

必要なのは、次のようなソリューションです。


安全なリアルタイムのメインフレームデータアクセス
理論上、すべてのデータを1か所にまとめることは素晴らしい考え方です。しかし、データ量が増え続ける中では現実的ではありません。データは、その種類と量に応じて、クラウド、データレイク、SQLデータベース、非SQLデータベース、オンプレミスの分散システムやメインフレームシステムなど、さまざまな場所に保存されています。データの保存場所や形式に関係なく、その価値を最大限に引き出すには、アナリスト、意思決定者、そしてユーザーがデータにアクセスできる必要があります。

メインフレーム、ミッドレンジ、デスクトップ、最新のクラウドデータプラットフォームに対して、高機能かつ広範なデータ接続を提供するデータアクセスソリューションを見つけましょう。

アクセスが困難な企業データには、次のようなソリューションが必要です。

  • SQLを使用してアクセスしクエリを実行できるように、メインフレームデータを変換する
  • 既存のアプリケーションに影響を与えない
  • メインフレームリソースの使用を最小限に抑える
  • 既存のメインフレームセキュリティポリシーに対応する
  • メインフレームとクラウドの連携に必要な読み取り/書き込み機能を提供する


メインフレームへの影響を最小限に抑える
データアクセスによって、アプリケーションやプラットフォームの処理速度とパフォーマンスが低下してはなりません。そうなれば、システムは負荷に応じて拡張できず、コストが急増し、ユーザーが離れていきます。待たされたり、負荷のピーク時にサービスにアクセスできなかったりすると、顧客は躊躇なく競合他社に乗り換えます。

データクエリは、メインフレーム以外で実行する必要があります。これにより、計算リソースとコストが節約されます。また、メインフレームの省エネ性と効率的を維持できます。



低遅延のデータ仮想化
複数の異なるデータベースのデータにアクセスし、すべてが1つのデータベースに存在するかのように単一の仮想ビューに表示できると、状況が一変します。これがデータ仮想化の要点であり、サイロ問題の解決法です。ベンダー、システム、構造に関係なく、メインフレームの全データがクリックで利用できるようになります。また、データを実際に移動することなく、1つのアプリケーションやインターフェイスで可視化できるため、コアシステムに影響を与えることなく、迅速な意思決定が可能になります。

データ仮想化は、データサイロと遅延(イベントの発生と、そのイベントで必要なデータをクエリに使用できるようになるまでのタイムラグ)を克服する鍵です。データ仮想化によって、さまざまなプラットフォーム上の多様なデータベースのサイロ化されたデータを、ソース構造を変更せずに、1つの理解しやすい構造にまとめられます。その結果、異なるデータソースを1つの連合リレーショナルデータベースとして処理でき、単一のビューとしてリアルタイムアクセスが実現します。これは、リアルタイムデータを必要とするダッシュボード、分析ツール、データドリブンのアプリケーションに最適です。

統一されたテーブルとカラムなら、SQLデータベースが操作しやすく、一貫性と信頼性を保持できます。それには、どのデータベースベンダーのどのようなデータソースであろうと、統一されたテーブルとカラムに変換して活用できるための明確に規定された普遍的な方法が必要です。メタデータリポジトリは、多様なデータを1つの共通言語に変換するための鍵となります。

包括的なデータ仮想化ソリューションには、見落とされがちなメインフレームと非リレーショナルのレガシーデータソースも含める必要があります。COBOLアプリケーションと複数のレガシーデータベースは、SQLで動作するためにそれぞれ独自のコピーブック変換が必要です。ベストなデータ連携ソリューションは、これらのメインフレームのコピーブックから意味のある名前とフォーマット記述を取得し、メタデータリポジトリに適用することができます。


次のようなソリューションが最適です。
  • データを移動することなく、複数のデータソースの単一の仮想ビューがある
  • データカタログに統合されたメタデータを使用して、サイロ間に共通の理解をもたらす
  • セキュリティ定義を継承し、複数のアクセスレベルに拡張する
  • データ移動の必要なく、ユーザーがデータを探索できる

変換とCDCによるデータ移動オプション

理解しやすい形式でメインフレームデータにアクセスするという課題を克服したら、データを任意の場所に移動できるソリューションもあることが理想的です。データの移動方法に関するオプションがあれば、高度な分析、セルフサービスデータサイエンス、AI、機械学習にデータの価値を活用したり、アプリケーション、データウェアハウス、プラットフォームのデータストアを最新化したりすることが可能です。

ほとんどのデータ連携ソリューションがバッチ、ETL(抽出、変換、ロード)、ELT(抽出、ロード、変換)をサポートしていますが、CDC(変更データキャプチャ) 機能も提供するソリューションを探してください。CDCは、変更があったレコードのみを差分更新することでデータ移動の効率を維持します。メインフレームシステムのパフォーマンスに対する負荷を軽減するには不可欠です。

メタデータの変更のため、そしてクラウドベースのデータウェアハウス、レガシー、非リレーショナルデータソース間の互換性サポートのためにも、単純なETL(抽出、変換、ロード)プロセス以上に処理中のデータを変換することが理想です。データ変換機能(プロセッサとも呼ばれる)は、フィルタリング、並べ替え、結合、ユニオン、要約、エンリッチメント、匿名化、集計などの複雑な変換に対応できる必要があります。たとえば、データを分析のためにデータウェアハウスに移動する際に、メインフレームのデータ要素をマスクしてデータのプライバシーを確保できるソリューションが、メインフレームデータの機密性を扱う場合には必要です。

データ移動(差分またはフル)のスケジューリング、同期前・同期後のタスクの起動、イベントの自動メール通知の設定を完全に制御できる変換設定を使用して、効率的に同期を実施しましょう。更新のタイミングを使用頻度の低い時間帯にスケジュールする、またはビジネスで最新の情報が必要な場合は更新を1分ごとにスケジュールするなど、ニーズに応じて同期タスクをスケーリングできます。

次のようなメインフレームデータ連携ソリューションが最適です。

  • さまざまなユースケースに適したデータ移動オプションがある
  • 単一または複数のデータソースから変更をキャプチャする(CDC)
  • 強力な組み込みの変換/処理機能がある
  • 単一の設計環境がある


勝者を目指す:ビジネスの継続性を維持しながらイノベーションを起こしましょう

すべてがシームレスに連携するように、クリーンで直線的な方法でプロジェクトに取り組もうと考えるのは自然なことです。すべてのデータとアプリケーションを同じプラットフォーム上に配置し、単一の技術スタックで標準化する方が簡単だと考えるかもしれません。しかし、世の中はそう甘くはありません。特に、既存企業では、ビジネス継続性を確保しながら、競合他社に先んじるためにイノベーションを起こす必要があります。幸い、最適なデータ連携ソリューションを導入すれば、イノベーションとビジネス継続性の両方を実現できるのです。

メインフレームデータ連携でデジタルイノベーションを推進

Software AGのCONNXメインフレームデータ連携ソリューションをご紹介します。CONNXを使用すれば、データの場所や構造化の方法に関係なく、コアシステムを変更せずに、容易にデータのアクセス・仮想化・移動を実現できます。

CONNXは、ODBC、JDBC、.NET、J2EE、OLE DBなどの一般的な接続メカニズムを使用して、メインフレーム、OpenVMS、IBM i (AS/400)、UNIX®、Linux®、Windows®、クラウドなど、非常に複雑でアクセスが困難なデータソースやプラットフォームへのコネクタを提供します。これにより、既存のセキュリティ対策を維持したまま、非リレーショナルデータベースを含むすべてのデータソースをSQL標準に変換できます。

これが重要な理由は明白です。Java、Python、Visual Basic、C、C++、PHP、.NET、その他のWebツールで構築された最新のアプリを迅速に活用でき、VSAM、IMS、Adabas、Db2、Datacom、その他のレガシーデータや非リレーショナルデータにCONNX DBアダプターを使用して簡単にアクセスできるようになります。これにより、元のデータはそのままで、既存のオペレーションを停止せずに、デジタルイノベーションを促進できます。

CONNXの強力なCDC(変更データキャプチャ)技術では、イベントドリブンなデータをキャプチャし、変換し、差分を移動することができます。変更があったレコードのみを更新することで、メインフレームのパフォーマンスに影響を与えることなくデータを最新の状態に保ち、ビジネス継続性を確保できます。

メインフレームデータを迅速かつ容易に連携して、次のようなニーズに対応しましょう。
  • デジタルとクラウドの変革をサポートする
  • データドリブンのWeb、モバイル、クラウド、SaaSアプリを強化する
  • Web、クラウド、モバイル、スマートデバイス、APIにより、マルチチャネルエンゲージメントを実現する
  • アプリケーションやデータウェアハウスをモダナイズ(最新化)する

クラウド分析のためのメインフレームデータ連携
クラウド分析プラットフォームで豊富なメインフレームデータを活用するなら、CONNXが最適です。メインフレームデータやレガシーデータの取得、セキュリティ保護、アクセスを可能にし、そのデータからクラウドへのブリッジを作成して、分析用に準備することができます。

CONNXを使用すれば、アナリストは、分析ツールやビジネスインテリジェンスツールの共通語であるSQL(Structured Query Language)を使用して、既存のデータソースに簡単にアクセスできます。CONNXの組み込みメタデータモデルを使用すると、分析やアプリケーション向けに有意義なデータを適切に準備できます。レガシーデータにリレーショナルモデルを適用することで、ソースデータは共通のフレームワークに抽象化され、アナリストや開発者、一般的なアプリやツールが容易に理解できるようになります。この強力なメタデータモデルは、データ仮想化にもつながります。複数の異なるデータベースのデータにアクセスし、すべてが1つのデータベースに存在するかのように単一の仮想ビューに表示できます。

ときにはデータにアクセスするだけでは不十分で、サードパーティのデータベース、クラウドデータレイク、データストリーミング、メッセージングシステムにデータをプッシュしたくなることもあるでしょう。CONNXの変換設定により、データ移動(差分またはフル)のスケジューリング、同期前・同期後のタスクの起動、イベントの自動メール通知の設定を完全に制御できます。更新を使用頻度の低い時間帯にスケジュールしたり、ビジネスで最新の情報が必要な場合には更新を1分ごとにスケジュールしたりするなど、ニーズに応じて同期タスクをスケーリングできます。

CONNXデータ連携により、クラウド分析の取り組みにメインフレームデータを取り入れ、最も価値のあるデータへのデータパイプラインを構築できます。メインフレームデータを取り入れることで深いインサイトが得られると、次のような変化が起きるかもしれません。

  • 顧客とのやり取りを改善し、新しいサービスを提供する
  • パターンを特定してマーケティングとセールス活動を改善し、収益増につなげる
  • 運用計画とリソース管理を改善してコストを節約する
  • 隠れたビジネスリスクを明らかにし、不正行為に対処する
メインフレームデータの価値を活用する

メインフレームのコアアプリケーション、カスタマイズされたビジネスロジック、そしてデータは、すでに競合他社と差別化されており、ビジネス運用における高信頼性のバックボーンとして機能しています。この「既知の」データに広くアクセスし、他のアプリやプラットフォームと容易に連携できるようにすることで、今日、明日、そして未来のデジタルエンタープライズの要求に迅速に応えることができます。

新旧の隔たりを超える準備はできていますか? 一緒に飛躍しましょう。


メインフレームデータ連携の事例

スタートアップ企業との競争に打ち勝つ

Webやモバイルからワンクリックでメインフレームにアクセス
世界最大の某バケーションオーナーシップ会社は、110カ国以上で会員に魅力的なリゾート、レンタル、体験を提案・提供しています。世界の200以上のバケーションクラブと4,200の提携リゾートを擁し、15,000人の従業員からなるチームがゲストの思い出づくりを支援しています。成功の鍵は、比類のない信頼性と稼働時間を提供するカスタムIBM zシステムソリューションが握っていますが、顧客にバケーション施設情報へのマルチチャネルアクセスを提供することは簡単なことではありません。

  • 課題
    顧客は、Webやモバイルのインターフェイスを通じて、バケーション施設情報にすぐにアクセスできると期待していました。デジタルネイティブの競合他社がすべてをクリックで操作しているなかで、同社はコールセンターで待たせるつもりはありませんでした。同社は、強固なメインフレームアプリケーションを置き換えるための無駄な時間とリソースを浪費せずに、即時のマルチチャネル顧客サービスを提供する必要がありました。

  • データ連携によるマルチチャネル環境の実現
    同社の主な目標は、メインフレームシステムの利点を維持しながら、迅速で拡張性のあるWebやモバイルアクセスを提供することでした。同社の宿泊予約・販売システムは、もともとVSAMバックエンドシステム上に構築されており、一度も稼働停止したことはありません。そこで同社はデータ連携パッケージとしてCONNXを選択しました。メインフレームデータをWebアプリに連携できる唯一のソリューションです。

    CONNXは、同社の既存のVSAM予約データをSQLに変換し、リレーショナル形式にすることで、Webやモバイルアプリケーションに予約データを表示し、ユーザーへリアルタイムで応答の提供を可能にしました。SQLは、Webやモバイルアプリケーションがデータベースと直接通信するために使用する標準であり、アクセス性を向上させます。

    データベースへの直接アクセスによるデータ連携を選んだことで、同社の顧客は予約完了までオンラインで完結することができます。
  • 新たな収益、無制限の容量、将来のテクノロジーへの対応
    メインフレームの力を解放してWebやモバイルなどに活用することで、ビジネスの利益につながりました。この移行は新たな収益をもたらし、接続に応じて容量を拡張できるため、企業は不意を突かれて慌てることもありません。


都市の再建:アプリとメインフレームの連携で最新のインタラクションを実現
  • 電子行政サービス
    世界有数のある都市では、一元化されたサービスを通じてあらゆる行政サービスと情報へのアクセスを提供しています。このサービスは100以上の翻訳言語に対応しており、オンライン、モバイルアプリ、24時間体制の電話を通じて無料で高速かつ容易に利用できます。しかし、年間数千万件のやり取りを処理するには、このサービスで都市全体の120以上の機関、職員、組織のデータを連携する必要があります。

  • 課題
    同市がメインフレームへのアクセス技術なしでWebやモバイルに電子政府サービスを提供するには、新しいプラットフォームに全面的に書き換える方法しかありませんでした。同じようなプロジェクトの経験から、その方法には何億ドルもの費用がかかることが分かっていました。過去の事例では、こうした市による書き換えは失敗率が50%以上もありました。

  • ワンタッチの行政サービスを実現
    同市のプロジェクトリーダーは、強固なメインフレームのあらゆる利点を維持しながら、データ連携ソリューションとしてCONNXを選択すれば、Webからタブレット、モバイルまで、あらゆるプラットフォームに、デジタル化されたサービスを提供できることに気付きました。これにより、より安全で、高速で、低コストで、セキュアな方法が実現しました。何よりも、セットアップと実装が迅速、安価、成功裏に進むという予定通りとなりました。

    現在、同市はバックエンドでAdabasとVSAM、その他の強力なカスタムアプリケーションを使い続け、市全体にサービスを提供しています。これらのシステムを維持しながら、同市は最新のiOSとAndroidアプリを提供することで、住民が郵便番号と住所に基づき個別の市サービスにアクセスできるようにしたのです。

  • IoT(その他あらゆること)を1日で準備
    このシステムにより、同市はすでにセットアップ費用と継続運用の両方で数百万ドルを節約しています。請求書支払いやその他のサービスを自動化することで、より迅速なサービスの提供、エラーの減少、所要時間の短縮など、効果が波及しています。また、市職員による単調なデータ入力も不要です。市は、新サービスを実装したい場合は、十数行の簡単なクエリを作成し、1日でテストを完了できます。つまり同市は、新サービスの影響を調査するプロセスによってのみ制限され、アイデアから実装まで最短1カ月で完了できるということです。

「解決不可能な」データ移行問題に取り組み10億ドルの取引を実現
  • 銀行の事業売却
    世界最大手クラスのある銀行は、900万人以上の顧客にサービスを提供しており、1,000近くの拠点を維持しています。同社は最近、保険部門の過半数の株式を売却したいと考えました。そのためには、買収する側の企業と共有するデータウェアハウスの構築が必要でした。

  • 課題
    当初、売却する事業の一部からデータを分離して移動するのは、解決不可能な問題のように思われました。コンサルティングのAccentureの分析では、カスタム抽出スクリプトを使用してデータを分離すると、取引完了が数年遅れると判断されました。売却を複雑にした要因には、アクセスが必要な11の多様なレガシーシステム、関連データの多さと複雑さ、変換のターゲットなどがありました。

  • 比類のないスピードでデータウェアハウスを構築
    同銀行は、必要なすべてのことはCONNXで実現できることを知り、衝撃を受けました。CONNXは、ほぼ最初からその価値を証明しました。データ移行プロジェクトは、無事本番稼働にこぎつけ、取引の失敗を回避し、完全に成功を収めました。Software AGの利用で、同銀行はセキュリティに妥協することなく、迅速、容易、低コストで実現することができました。

    同銀行には最長で35年前のシステムがあり、データ自体はそれ以前にさかのぼるため、セキュリティコンプライアンスと顧客データに関する重大な考慮事項を無視するわけにはいきませんでした。そのため、VSAM、QSAM、Adabas、IMSから、Siebel、さらにはSUPRAまで、あらゆるシステムに対してカスタム抽出スクリプトを作成するとなると、失敗は避けられないと考えていました。

    そのような状況で、CONNXは同銀行のニーズに完全にマッチし、データ移行プロジェクトをサポートして、将来の内部プロジェクトに対応できるデータウェアハウスの構築を支援しました。

    CONNXは、ポリシー、クライアント、プロセス、アドバイザーの情報を含む40のシステムに対応しています。構造化データと非構造化データの両方で動作するため、CONNXはアクセスだけでなく、ターゲットのMicrosoft SQL ServerへのETL(抽出、変換、ロード)にも使用されています。

    同銀行は、このようなソリューションが存在することに驚きましたが、抽出と実行時間の速さ、そして必要な移行の一部が週末だけで完了したことにも圧倒されました。

  • CONNXの利用はデータウェアハウスから、クラウドへ
    事業売却が完了し、同銀行はCONNXがこの1つのプロジェクトにとどまらない価値をもたらすことに気付きました。このソリューションを使用して、新たな利益、新たなセキュリティ機能、新たなテクノロジーへの扉を開くことができたのです。

    そのテクノロジーの1つがクラウドです。同銀行は、処理能力が問題にならないほど十分なオンプレミスのハードウェアを所有していますが、Snowflakeのようなクラウドベースのデータレイクが、データのアクセス性、冗長性、セキュリティの改善によって、将来を見据えたビジネスの確立にどのように貢献するかに関心を持っています。

    同銀行は、CONNXの実装により、外部とのより安全なデータ共有をサポートし、ファイアウォールの多層構造を改善することを計画しています。CONNXを継続して利用することで、同銀行は今後150年、そしてその先も繁栄し続けることができます。


信頼性の向上により資産管理顧客を獲得
  • グローバル銀行
    世界最大手クラスの某銀行は、8万人以上の従業員を有し、世界34カ国で1,700万人の顧客にサービスを提供しています。専門は富裕層の個人や家族、機関、慈善団体へのサービスです。この金融界の一角は、情報の権威、トレンドや市場の動きに関する独占的かつ最新の分析、そして何よりもアドバイザーの専門知識に対する顧客の信頼によって生死が分かれます。しかし、同銀行の従来のデータウェアハウスは、予定内・予定外の顧客からの問い合わせ時に古い情報を表示することが多々あり、専門家の権威と信頼の失墜につながっていました。

  • 課題
    ウェルスマネジメント(資産管理)市場の急成長に伴い、データは急増しています。顧客は、アドバイザーが信頼できる情報にすぐにアクセスできることを期待しています。これは、多数のソースから抽出したデータを、アクセス可能な単一の仮想ビューで表示できるようにすることです。この機能がないと、アドバイザーが古いレポートを参照したり、データの取得に時間がかかりすぎたりして、顧客がよそに流れてしまうおそれがあります。何もしないという選択肢はありませんでした。しかし、Oracle、TIBCO、iWayが提供するソリューションにはすべて、必要なコンポーネントが多すぎること、データの再書き込みと再リンクが必須であること、ベンダーロックインになることなど、重大な欠点がありました。

  • リアルタイムのデータアクセスと仮想化により顧客の360度ビューを実現
    CONNXは、複数のレガシーシステムにわたるデータを仮想化するためのシームレスで強力かつ迅速なアクセスを可能にしました。同銀行のアドバイザーは、相談者が知りたがっている全情報を、シンプルなダッシュボードビューでリアルタイムに把握できるようになりました。また、同銀行はすでにAdabasを使用していたため、CONNXの追加は、単一ベンダーの包括的なソリューションを利用することを意味しました。

    同銀行は、Adabas、Sybase、AS400、Oracleなどの異種のレガシーシステムにわたるデータにリアルタイムでアクセスして仮想化し、多くの場合は変換することができる、仮想データウェアハウスを構築しました。

    この機能は、適切な情報をマイニングし、データを収集し、データ変換を実行してエラーをその場で修正する能力など、競争上の差別化を提供します。たとえば、ある特定の顧客の株式取引日が、異なるデータソース間で異なる形式で存在する場合、CONNXは日付の形式に関係なく、対象の日付をマイニングできます。
  • データドリブンな意思決定で顧客満足度と成長を促進
    仮想データウェアハウスにより、銀行とその顧客の状況は好転しました。マネージャーが顧客のポートフォリオの完全な概要をリアルタイムで把握できるようになったことで、顧客の信頼は急上昇しました。噂が広まるにつれて、同銀行は上昇気流に乗り、個人、機関、非営利慈善団体のために管理している資産も上昇しました。

    最新のデータ、顧客の笑顔、資産管理マネージャー用の強力かつ効果的でダイレクトなダッシュボードのおかげで、顧客によるCONNXの評判は次のレベルへと上昇しました。リアルタイムのパターン分析と予測を実行し、データドリブンな意思決定のための一貫したアクションを実現し、業界をリードするセキュリティを強化する能力により、同銀行は今後数年で成功する準備ができています。
    また、メインフレームデータは、高レベルのセキュリティで保護されているという点でも特異です。これは前述のように、メインフレームアプリケーション管理されているトランザクションは価値が高く、ビジネスの中核であるためです。